保険に関わる仕事をしていると、文字どおり、異次元の世界に感じられます。
たとえば、「老後の資産形成にも役に立ちます」「貯蓄性があります」などと言って販売されている「終身保険」では、初年度の代理店手数料率が、年間保険料の50%(一桁間違っているのではありません)に達するものも珍しくないからです。
その後、2年目から5年目まで10%手数料が払われる場合、30年で均しても、代理店手数料だけで毎年3%のコストがかかる計算です。
他に死亡保障に要する費用、保険会社の人件費やシステム管理費などにかかる費用などもあるので、資産形成に向くはずがありません。
投資信託より、保険のほうが高コストになる理由としては、加入時に指定医による健康状態の診査が行われたり、保険金支払い時に調査が入るケースなどを想像すると、無理もないと思える部分もあります。
しかし、なんといっても営業担当者や代理店への報酬が占める部分が大きいはずです。
もちろん、それは保障目的の商品の利用価値にも影響を与えています。
ローコスト商品を広めることでは、ネット専業生保によるダイレクト販売などに可能性を感じますが、近年は伸び悩んでいる状況です。(商品の差別化も出来ていないと感じます)
引き続き、消費者の意識を変えるべく、情報発信を続けていきます。
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